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執筆者の写真nemuridorinagai

小さな破裂のうた


きみがぼくをいらなくなっても

ぼくはぼくを捨てられないから

きみのなかのぼくだけ殺して

ぼくはひとりで旅に出る


きみのいない街にすむから

ぼくのいない街で暮らして


ひとが滅びて

ごまんねんのち

地球におりたつ生命体は

化石になったぼくのせぼねに

きみの面影をみつけてわらう


     *


きみの幸せを脅かすものは誰だ

死んでしまえ死んでしまえ


     *


風呂に浮かんだぼくの死骸

布団にくるまるぼくの死骸

卓袱台につっぷすぼくの死骸

靴を履き掛けたぼくの死骸

物干し竿にぼくの死骸

ぼくの部屋を埋め尽くす

ありとあらゆるぼくの死骸


     *


愛してる

より

愛してた

が 

わかりやすいのはなぜなんでしょう


     *


なんにもいえない

花になりたい


     *


愛しいあのこは

花のかんばせ

真紅のくちびる

晴れ時々散弾銃


     *


右の頬を 打たれた(‥‥のはなぜ?)

と考え始めたら

左の頬をさしだせず


(空は白んであの子は去った )


     *     


I just only think about


ね そこにいて 笑っていて


     *


我儘ではなくて

必然なのよ




     *


好きということばに巣食う

一千万種のバクテリア

お腹壊しちゃうよ


     *


愛は傲り高ぶり

SOS弾頭はぼくを貫いた


顔と名前 

変えて暮らしたい


     *


海と空は

恋人同士

おたがいをうつして

青い色になったのだけど

水平線の 

向こうにいっても

交わらないままだ


     *


歌いたい

踊りたい

みつめたい

蹴飛ばしたい

撃たれても

わらいとばせ


生命のはなやぎは

みじかい


自分の言葉をもつ


      *


愛してるよ、 の、


語弊とともにいきる




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