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執筆者の写真nemuridorinagai

「ぼく」と「あの子」のこと


手芸用品屋さんで「あの子」を見せたら、「美人だね」とレースを割引してくださいました!!…の袖口。 小学校中学年の頃、わが家の姉妹で一人称に「ぼく」を用いることが流行りました。 いや、妹は多分やってなかったから、姉と私ふたりの間の流行りだったのかな? キッカケがなんであったのかは、もう定かではないのですが、兎に角、その頃、われわれは自分を「ぼく」と呼んでいたんです。 思春期の始まりで、「おまえは女なのだから女の子らしくしなければならない」と強制されることや、自分を「わたし」と呼ぶことに妙な違和感があり、 男の子になりたい、と思っていたわけではないのだけれど、 (男子に、「おんながぼくって言って変なのー」とからかわれたとき、「おんながぼくって言ったらあかん、て法律で決まってんのー?」て憎らし~く返してました!)

自分を「たくさんいる女の子の中のひとり」としか見てくれない大人と、

「たくさんいる女の子の中のひとり」との分類を素直に受け入れている友人たちに、

勝手に苛立ち、「自分は確かにここにいるよ!」と主張したかったのか、

なんなのか、もはや判りませんけれど、

その頃、わたしは「ぼく」を名乗っていました。 年齢が上がるに従って自分を「わたし」と呼ぶことはいつの間にかあたりまえになりました。が、今でも、親しい人と会話しているとき、時折、ポロリと自分を「ぼく」と言ってしまうことがあります。 それは、とても懐かしい名前です。

性別がどうのとか以前に、宇宙のなかのひとつのいのちである「自分」を指し、そいつが何かを感じ生きている、ということを示す響きであるようで、なんだか、気持ちがホッとするのです。 さて、「花の降る日」の主人公の名前も、「ぼく」です。

「ぼく」は少年で、それは生きる人全ての名前です。

「ぼく」には、ひそかに心にひっかかる「あの子」がいます。 「ぼく」をふと愉快にさせてくれたり、悲しくさせてきたり、とても優しいところがあったり、気まぐれでぼくを悩ませたり、ときにイラつかせたり、また、喜ばせてやりたいと思っているのになかなか上手くいくためしがない、誰しもが一人くらい抱えている、「あの子」です。

「あの子」の顔がなかなか決まらず…。動かしては直して…追いかけっこしました。 このところ、「あの子」人形に悩まされていましたが、今日の稽古で少し、見えてきた…かな…。 ラスボス的な存在感と厄介さを発揮してくれてますが、どうなることやら。。。 本番3週間前を切りました! 地球上のすべての「ぼく」と「あの子」に観ていただきたい作品…になれるだろうか⁈ Cor Glass Fools! 「花の降る日」いよいよ!!

ご予約、お待ちしております!!

Cor Glass Fools! 『花の降る日』2017年6月30日(金)~7月2日(日)

@千歳船橋アポックシアター

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