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霜月、WSざんまい。


10月のバタバタを乗り越え、今月はWS三昧(!)。 普段、人形制作・作演出・遣いとひとりでやることが多く、 ユニット活動でも企画・演出・美術など…自己発信のケースが多いので、

活動を続けると徐々に、「他者の発想や存在に触れたい!係りたい!!芸を交わらせたい。先人の指導を受けたい!勉強したい〜!!」という欲求が高まって来ます。 「今年も色々頑張ったかなぁ‥、おし、行きたいWS行ってしまおう!!」

いろいろやりくりをいたしまして、なんと!!

今月は東京芸術劇場の長期・中期WSに連続で参加してきました‥😅‼️ もう二度とこんなことできないんじゃないかな。。 とても贅沢な体験でした。

①「リロ・バウアーによる俳優・ダンサー・演出家のための演劇ワークショップ」

タイトルには人形遣いの入る余地はありませんが‥😖💦 (シアター系のWSで人形遣いが募集要綱に含まれているのってほとんど見たことない‥。) 講師のリロ・バウアーさんはサイモン・マクバーニー氏率いる「テアトルコンプリシテ」で長く活躍されていた女優・演出家。 サイモン氏と言えば‥そう! 世田谷パブリックシアターで上演された「春琴」の演出家です。 深津絵里さんやヨシ笈田さんとともに、人形が春琴を演じる演出が印象的で、(わたしが把握しているだけで)3回再演されていたのですが、客席が毎回大入り。 「人形劇の観客の減っている日本で、この作品がこれだけ受けるいれられるのは何故なのか??」と気になり、結局再演ごと3回、劇場に足を運びました。 (身体とものを駆使した演出、美しい舞台構成、演者も大変素晴らしい作品だったと思います。 人形は演出効果の一部なので、途中春琴は3人遣いの人形などで表現されるのですが、最終的に人間の女優さんになり彼女が演じきる) 演劇の人形と、人形劇の人形と、重要視していることが絶対的に違うのだけど、それがなんなのか、私たちの譲れないことは何か、また演劇の演出家の人形の扱い方から学ぶべきことは何なのか、知りたかった。 「わたしは俳優でもダンサーないけどこのWS絶対参加したいっ!」と、ドギマギ申し込みました。 可否通知は届いてすぐ開けられず(緊張で)、一日寝かせてから開きました。。 得体の知れない”人形遣い”を、参加者として選んでてくださった制作さんに本当に感謝です🙇‍♂️ 他、学びたかったこと↓ ・演出上どうしても出てくる人形をもっていない時間の、わたし自身の演者としての在り方について学びたい。 ・「人形」の感情やそれに伴う動作、内面の動きををもっと豊かにしたい。ために、人間としての自分の情動をもっとよく知りたい。また、他の色んな俳優さんの動作や情動を近くで見たい。 ‥‥様々な世代の俳優・ダンサーさんに混じって飛んだり跳ねたり、創ったり悶えたりしながら過ごしたなんとも濃厚な日々。 フィジカルシアター(というのかな?)のさまざまなエクササイズとともに、テキストを元に短時間でグループでのクリエイションを繰り返します。 死ぬ気で遊ぶ大人たち(笑)。 短時間でのクリエイションの連続、脳みそがものすごいスピードで回転してました。

                                リロと親愛なるWSの仲間たち!!

人形を遣いたいために芸人になったわたしには、「ものを持たずに人前に立つ」ことには勇気が必要ですが、WS中はボンボン虎穴に…突き落とされる突き落とされる!

(でももっと飛び込めたはず!!!というのは反省です。) 遣い手がすんなり呼吸して立てるようになれば、人形はもっと楽に自由に動けるのではないかなぁ。。という感触がありました。 リロさんは広い視野と強い身体、力強い経験と、穏やかな笑顔、ユーモアに富んだとても素敵な女性でした。 人形を観ていただく機会もいただけました😂 「Nozomi,Don't be shy!!!」 彼女に最後にもらった言葉。ためらっている場合ではない。

人生は短い、勇敢であれ!! 共に過ごした仲間たちそれぞれの、芸の花が見事に開くのを度々みました。 分野は違えど、芸に邁進する同世代や先輩方、また若者たちに尊敬と憧れと親しみの気持ち、身一つで舞台に立つ強さ、羨ましいなぁ、という気持ちでいっぱいです。 わたしももっともっと飛び込めるのだ!飛び込まねば!!勇気をたくさんもらいました。

どう人形に反映させていけるかな……、それがこれからの課題。

生身の演者たちの中で経験した「いきもの:人間」の呼吸と鼓動の豊かさ、他者との関係性で生まれる互いの変化、社会を想うことを忘れない、目を大きく開いてよく見聞きし感じること。

忘れず、戻ってこられるように。

ありがとうございました!! ②「ストリートアーティスト・アカデミー2018 ジョアン・スワルトヴァーゲル特別ワークショップ」

そして、人形を遣いたくてたまらなくなったタイミングで参加したフランスのコンテンポラリーサーカスの第一人者、ジョアンさんのストリート・パフォーマーのためのワークショップ。 募集要項の内容案内: ①各々の技術や個性を活かしながら、心に響くパフォーマンスをおこなう上で必要な情緒・情感の生み方を学びます。 ②創作へのアプローチ、自らへの願望・アイディアを作品制作に落とし込んでいく方法を学びます。

③その他:街歩きを通してサイトスペシフィックなパフォーマンスをおこなうための方法を学びます。 これ、要項を読んだときは「4日間で全部できるの?そんなの無理でしょう‥」と斜めにみてたのだけれど、全日程を終えた今振り返ると、これ全部やっていた、確かに!!!

自身もジャグラーでもあるジョアンさんらしく、声高だったり直接触れたりというあからさまな方法ではなく、緩やかな放物線を描き投げ上げた贈り物がそれぞれに降ってきて各々なりに解読していく…ような…、不思議な静けさの感覚のあるWSでした。

参加者の技芸の種類が多種多様なので(それが大道芸・サーカス。)まとめて講師をするのは大変なことだろうなぁ、と思いましたが、 身体・頭・情動・感覚・個人・他者・内面・環境(場所)……それぞれへのアプローチを短時間であっち行ったりこっち行ったり、多方面から投げかけて、参加者の右脳左脳を関連付けて活性化し、ソレゾレの技芸に落とし込んで「場所」にでてやってみる、発見は自分の活動へ持ち帰られるようにの工夫もあり…進行が見事でした。

「空間ってどこでも面白いんだよ!ぼんやりしてないで発見して!見つけて働きかけてみて!お客さんにどこからどうみせるか忘れずにね!」

「自分が何をやりたいか、何を自分が理想とするか。どーやってやるか、自分で考えてみて。練習方法も自分で開発したらいい。まぁ、困ったときは友達に相談してもいいかもね!」

書き出すとものすご~く普通のことなんだけど、そのとおりですね。。。 面白かったワークのひとつ、感情のエクセサイズ。 部屋の向こうから観客の目前まで、芸人はだんだん1つの感情を大きく育てながら歩いていく。 身体のみで一回トライしたあと、応用編「自分の道具をつかっていいよ!」

ジャグラーはジャグリングで怒り、マジシャンは手品で怒り、クラウンは身体で怒り、人形遣いは人形が怒り、謎の集団がだんだん近づいて来るわけですが(笑)

ここで発見した自己研究課題:

人形遣いと人形がほかの芸人さんと並んだとき、

サイズの小さな人形の怒りは、観客にどの程度アピールできる?

サイズの小さな人形でもめちゃくちゃ大きく怒れる方法はあるのか?例えば人間の怒りより大きく?

人形の怒りを小さくても深く鋭くすることはできるのか?

人形が怒る時の遣い手の状態は?

遣い手と人形、それぞれが同時に怒るとどうなる??…など。

ショーイング中のジョアンさんと通訳さん 写真はTwitterのアンケセアメンさんの投稿からお借りしました!

街頭で等身大胴串人形を遣う、ということにも今回初挑戦してみました。 人形が街を歩き生活している人々に出逢う、というのはやりたいと思っていることのひとつなのだけれど、街頭で咄嗟の事態に遣いと人形がどこまで反応できるか、操作しながら世界がどのくらい見えるのか、かなり難易度が高いからと敬遠していたのを、この機会だ、と。

難しかったけれど面白い体験でした。 身体即興のワークを街頭でやった後、人形で街頭即興をすると

またまだ自分の身体より人形が環境に対しいかに不自由かを痛感することができました。 風の心地よさ、ひかり、唐突な音、100m先の通行者、落ち葉、車の行き来、サイズの違う世界を人形、あるいは後ろの遣い手込みでどう感覚してどう反応するか。

課題をたくさん発見してしまったけれど、散歩した人形は気持ちよさそうでした! 様々な場所での集団即興でひさびさに公園や階段を仲間たちと全力で駆け回りました。

みんなで走る…、生きているってこんなシンプルなことが楽しいのだったなぁ。

視点を変え、発想を新鮮に持つことができたら、世界は新たにひろがっていく。

ありがとうございました!

出典は同上。劇場B1Fでの身体の集団即興ダンスを1F吹き抜けから観てもらう。これはやるより観るほうが面白いのかも。。。

さて!年内は通常運転に戻ります。

コツコツ稽古とクリエイション、そして来年の活動もろもろ…!!

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